石見ライド01(2006)の記録 | |||
2006.01.26 ついに来た! | |||
来るべきモノがついに来た。うーむ、今年も走るのね。 去年参加した、「石見ライド試走会」。今年のご案内が先日届いた。 今年は、5月13日・14日の開催。うーむ、5月かぁ。ビミョー。 5月というのは暑いのか寒いのか。去年の7月というのは、どう転んでも暑いわけで、実際泣くほど暑かったわけで、暑いことしか考えんですむわけで、雨は降ったけどかえって気持ち良いぐらいだったわけだが。 まずウエアに悩む。5月といえば、紫外線関係では年間で一番強烈とも言われるシーズンであり、晴れればやっぱりクラクラするほど暑いはず。 かといって、中国山地の標高数百メートル地帯である。天候によっては、震えるほど寒くなることも考えられる。暑さでグラングランなりながら急な登り坂を上りきって、下りで寒さに震える、なんてことも充分考えられる。寒さは気力も体力も根こそぎ奪ってくから怖い。 長距離を走ることを考えると、持ってく荷物は最小限にしたい。うーむ、今回はウエアを入れるバックパック的なモノが必要かもね。 んで、やっぱり心配なのが体力。去年の秋からほとんど走ってなくて、体力的には去年の「石見ライド」以前に逆戻り。しかも今回は2日間のコース全長が300km! 一緒に参加する予定のI氏は、今回はショートカットせずに三瓶山コースを走るとかなんとか言ってるし。 どうなるのか、今年の僕。間に合うのか、体力回復!最後尾の栄冠は我に! |
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2006.02.10 初心者の方へ | |||
どうも最近「石見ライド」で検索して、このページを訪れるヒトがいるみたい。 2日間で300kmというロングライドに興味を持ったヒトが、何らかの情報を求めてネットの波の中を徘徊している。心の底の方では出場を決意しながら、情報不足から申込を躊躇している初心者の方。よーし、ここはひとつ経験者たる私が、迷える子羊の群れのために一肌脱ごう。背中を一押しする役を買って出ようではないか。 いちおう断っておくが、僕は去年の石見ライド試走会でも2日目の八色石の坂道手前で最後尾の「リタイアしたヒトと自転車を拾っていく車」を目撃した男である。貴重な最後尾経験者である。2日目は制限時間をわずか15分残してのゴールだった。 威張るつもりはないが、1日100km以上走ったのは大会当日が初めてだった。よく出場する気になったもんだが、それでも完走した。自転車というのは、僕らが思っている以上に僕らを遠くに運ぶことが可能な乗り物なのである。 ヘタレな僕でもやっぱりリタイアは怖い。トラブルもあるだろう。去年は奇跡的に、パンクも落車も経験せずに済んだ。足がつって棄権したヒトも何人かいたみたい。体力的に余裕があってもちょっとしたトラブルで走れなくなる、というのが一番いやだな。ノントラブルで走ったけど時間切れで失格、っちゅうのもハラ立つだろうなぁ。 走ってる間はほんとにつらい。去年はすごく暑かったし。極限の精神状態で、人間って最終的には一人っきりなのね、と悟る。「この坂登りきったら休もう」と自分を騙して休まずに走る。前を見ないようにしてなるべく楽しいことを考える。もうホント、あらゆる手を尽くして嫌がる自分をなだめすかしてひたすら前に進むのだ。 ああ、書いてるうちに苦しかった道のりを思い出してきた。ヒトの背中押してるのか引き戻しているのかわからんようになってきたな。今年は距離も伸びてるし、標高差も去年以上に厳しいし、ホントは僕も不安でしょうがないのである。初心者の皆さん、たくさん参加してみんなで最後尾集団を形成しましょう! |
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2006.03.11 鍵掛峠 |
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オリンピックも終ったし、雪もかなり解けて、今日なんか春っぽい良い天気。そしてついに「石見ライド」のコース詳細が発表された。 往路は去年からコースがかなり変わってる感じ。といっても土地勘ないのできついのかどうなのかいまいち解らん。まぁ、距離が伸びてるだけで充分きついんだけどね。去年の往路が135km。僕は三瓶山に登らずにショートカットしたんで110km。今年はなんとか三瓶に登りたい。そうすると160km。しぇー!!なんと去年よりも50kmも長い距離を同じ9時間で走らんといかんとこになる。休憩を1時間入れたとして、平均時速20km以上で行かんとタイムアウト。まじすか。 一応練習はしてるんだけども、もひとつ力がついてる実感が無い。先週は広島空港にある「中央森林公園」のサイクリングロードに走りに行った。1周12.3km健脚コースを5周ほど回って61.5km。「いやぁ、走った走った」とかなんとか言いながら車で帰宅中、一緒に行ったI氏と「160kmってゆうと、家から広島空港までのちょうど往復の距離だねぇ」ってな話題に。そうなのである。我が町西城町から中央森林公園のある広島空港までの距離は約80km。160kmという距離が物凄く実感できて二人で愕然とする。 家からちょっと北上するとすぐ鳥取県との県境である。日南町の多里という所。ここに地元のおばちゃん達がやってるそば屋があるので、よく昼飯を食いに行く。距離は7kmほどだが「鍵掛峠」と呼ばれる難所があって、去年も何度か自転車で走って死にかけた。昔、旅人がここを通るとき鉤つきのロープで登ったとか、鍵掛けのおまじないをして渡ったとかいうぐらいすんごい峠である。今日は車に自転車を積んでそば屋に行き、昼飯食ってから準備してそば屋に車を置いて自転車で出発。前回ここを登った時は時速3kmという屈辱的なスピードを記録してしまったが今回はどうか。ローラー台での練習の成果は発揮できるのか。 結果からいうと、時速3kmってことはなかった。しかししんどさは一緒で、やっぱり死にそうになった。しかも良く考えたら今年の僕は掟破りのリア29tを装備しているのである。うーん、結局スキルアップしているのかどうかはよく解らんかった。 |
鍵掛峠の途中から遥か多里の街を望む。しかし、かっこいいなぁ、僕の高っかい自転車。 |
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2006.05.13 石見ライド01-1日目 | |||
まずいぶん更新の間隔が空いてしまった。 たいして練習も出来ずに月日は流れ去り「石見ライド01」がやってきてしまった。 2日間の結果をとりあえず記しておこう。 13日は天気予報どおり朝から雨。行きの車の中でI氏と出走するかどうか考える。もちろん雨天での走行のための準備はしてきたが、ずぶぬれになって走る事を思うと気が重い。覚悟を決めて走ろう、ということになった。参加費も無駄にしたくないし…。 アクアスの駐車場に着くと、いるわいるわ。走る気満々の人たちが。みんな普通に自転車のメンテや着替えをしてる。雨で棄権するなんて発想も無いんだろうな。僕もぐずぐず準備を始める。ブリーフィングのあとcharipara氏やえこにん氏たちと遭遇。健闘を祈り一服する。(タバコかよ!) あっという間に8時30分。スタート時刻である。あれ!メーターが無い!サイクルコンピュータが無い!うろたえながらもスタート。先頭集団でスタートする作戦だったがいきなり出遅れる。第1CP旭町に到着するも、早いのか遅いのか全然わからん。後半スタートだったはずだが、かなりの人数に追い抜かれたような気がする。すでに全身ずぶぬれ。しかし僕的には足も良く回るし体調は良いようだ。サイクルメーターが無いのも変なプレッシャーが無くて良いかも。 作戦その2。だらだら休憩しない。休憩時間を切り詰める事ぐらいしか平均速度を確保する手段が無い、ということもあるが、長時間休憩するとかえって走り始めがしんどいことを経験していたためである。この作戦はとても有効だが、同じヒトに何度も追い抜かれる、という屈辱を2日間通じて味わうという悲劇を生む。 第2区間後半に今大会の目玉ともいえる原山林道がある。今回は自転車に斜度計を装着していた。サイクルメーターが無いため解るのは斜度だけ。5%以上、数ヶ所で10%以上という激坂。雨のため、立ちコギしようとすると後輪が空転する!立ちコギで立ちゴケするところだった。ここでも数人にパスされる。そろそろ最後尾じゃないのか?後ろをスタッフのオートバイがトコトコついてくる。最後尾のヒトを見守る後走車か?そう思うと怖くて振り返れない。 峠のトンネルを抜けてしばし下り坂。しかし第2CP「いこいの村しまね」への進入路が短いながら10%を超える登り坂。原山林道で限界に達した太ももに、とどめの一撃を与えるという憎たらしいスタッフの作戦である。もちろんまんまと作戦にはまる僕なのである。へろへろになりながらチェックとトイレを済ませてすぐ出発。猛烈に腹が減ったので走りながらパワーバーを一本まるごと食べる。作戦その3。エネルギー補給を欠かさない。今回サドルバッグにはぎっちり食料を詰め込んである。 第3CPに午後1時30分ごろ到着。あれ?第4CPの粕淵間まであと20km弱。一緒に参加したI氏とその息子は僕より30分は先行しているはず。ということは、彼らは三瓶へのタイムリミットである午後2時までに粕淵についている可能性が高い。うわ、三瓶に登りやがったなあいつらぁ!昼食のおにぎり3つを5分でたいらげ出発。 第4CP粕淵でサインを確認すると案の定、I氏とその息子は三瓶山に登った様子。やられた!まぁ、これで先にゴールしてのんびりできるかも、と思ってたら、ショートカットコースが結構登り坂。最終CP石見銀山に到着してみると既にI氏の息子は通過した後だった!そのうえ石見銀山の町中で道に迷い大幅に時間ロス!結局I氏にも抜かれてしまう。時間内に完走できたから良いようなものの、散々な1日目だった。 |
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2006.05.14 石見ライド01-2日目 | |||
去年は2日目が雨、身体もぼろぼろで泣きそうになりながらスタートした。 今年はというとずいぶん身体も楽で、特に痛い所も無くいい感じ。やはり、1ヶ月ほど前に広島市内のプロショップで、ポジション合わせ&ペダリングの教育を受けていた事が大きいと感じる。去年のひざ裏の痛みは、強引なアンクリングによるモノだったようだ。足首が動く癖は完全には直ってないが、なるべく足首を固定して、つま先から踏み込むようにする事で、致命的なダメージは防げるような気がする。 1日目になくしたと思ってたサイクルコンピュータは、着替えのズボンのポケットから出てきた。相当焦ってたんだと思う。さぁ、スタート時間だ。今日はなるべく早いうちにスタートする作戦。スタートして数キロの所で交差点を直進した僕らを、オートバイのスタッフが呼び止める。左折だった。交差点まで引き返しコースに戻る。I氏の息子が先行していたはず。数名の選手の姿が見えたようだが。 今回はコースを示すノボリの立て方がちょっとセンス悪い気がする。1日目の石見銀山でも迷ったし、この後も何度かミスコースしてしまう。僕自身も相当な方向音痴なので人のせいにばかりも出来ないが。 粕淵のCPに着いてみると、I氏がいて息子がまだ来ていないとのこと。僕に追いついていないということは、間違えてかなり先まで行ってしまったのだろう。しばらくまっていると10人ぐらいの集団で息子がやってきた。けっこう間違えたヒトがいたらしい。I氏の息子の姿を確認して、僕はすぐ出発する。 第2CPは川本町。腹が減って食べてばっかりの1日目と違い、2日目は、腹は空くけどパワーバー的なものはなぜか食べる気がしない。漬物が置いてあったのでぱくつく。うま!!大根の漬物と梅干しを食べ続けているところにI氏とその息子到着。二人がトイレに行っている間も食べ続け、さすがに笑われる。もっと食べたかったが、休憩取らない作戦が怪しくなりそうなので無理やり出発。おっ!ここで近藤房之助氏らしきヒトと遭遇。 前回、最後尾のヒトを監視する車と遭遇した八色石にさしかかる。早め早めのCP出発作戦で、なんとか最後尾は免れているが、バンバン追い抜かれる。近藤房之助氏らしきヒトにも抜かれる。I氏達にもここで追いつかれる。なかなか追いついてこないなぁと思っていたら、途中でパンクしていたらしい。あっさり置いていかれる。僕の登り坂の遅さは悲劇的ですらある。 前回も昼食場所だった断魚渓に到着。I氏達は弁当を食べ終ってのんびりしている。僕も早めに食べて出発。ここから桜江B&GCPまでは江の川沿いの道をI氏達と走る。I氏の息子に先導してもらい結構なペースで飛ばす。男女カップルのヒト達と一緒になり、先頭を交代しながら集団走行する。と言いつつ、僕はついていくのが精いっぱいで最後尾で風をよけながら必死で踏んでく。こうして走ると確かに集団の後方が楽なことを実感できる。おかげで何台かをパスできた。 第4CPでさすがに暑くなってきたのでウインドブレーカーを脱ぐ。2日目のコースは、ここらあたりから未知の領域に入る。完全に油断していた。とんでもない檄坂が待っていたのだ。八色石どころじゃない1日目の原山林道並の地獄道であった。峠の手前でスタッフとおぼしきヒト達が「峠はすぐそこ」と教えてくれる。ええ、確かにすぐに峠でした、ええ、ほんとに。でもね…。放心状態で坂道を下るとそれまで以上の超激坂が待っていた。なんて意地悪なコースなんでしょ。2日目はほとんど前回とおんなじコースと思って油断していた。やられた。へろへろで最終CPにたどり着く。 最終CP旭温泉からは去年も走った道なので安心だ。最後の区間なので後のことは考えずに全力で走る。最後の峠道、那賀広域農道を一気に登る。去年は痛い足をかばいながら永遠に続くような気持ちで登った道だ。今年もイヤ〜な気持ちで登り始めるがなんのことは無い。勾配計で確認すると最大5%程度の比較的ゆるやかな坂道。しかも数キロで終ってしまう。去年は何であんなにしんどい気がしたんだろう。ペースはたいしたことないがすごく気持ちよく登れた。体力的にはともかく、精神的には進歩してたんだなぁ、としみじみ感じた。さぁ、後はゴールに向けて下るのみ。うーっ、やっぱり下りが最高!日本海を眼下に見ながら下る下る!4時40分ぐらいにゴール。とりあえず完走扱いになったみたい。メーターで確認すると休憩時間を除いた実走行時間はジャスト8時間。平均速度17.9km。 前回は、暑さにハンガーノックにひざ裏の痛みと、ぼろぼろになってゴールしたが、今回はそういったダメージが無く、素晴らしく気持ちが良かった。坂道のスピードが今後の課題ではあるが。 ゴールして、事故に遭った方が亡くなったことを知る。ここでは多くを語ろうとは思わないが、故人のご冥福を祈るばかりである。昨年に引き続いての出場&完走であるが、素晴らしい大会であるとの思いは変わらない。来年は三瓶を目標にがんばろう。 皆さんお疲れさまでした。 |
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