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比婆山のふもとに、怪物が現れたというニュースは全国でも報道されるに至り、その正体を突き止めようと神戸大学探検部の「類人猿調査隊」一行が現地で調査を行った。
時を同じくして、目撃現場近くでは、「県民の森」建設のため、造成が進められていた。その工事現場で、作業員が足跡を発見するという事件が起こった。庄原署は早速石こうで型を取り、広島県警鑑識課で調べた結果「人間のものに近い」とされた。しかし、残念ながら、その型は複数の見物人が手で触った後に取られたことが判明し、正体を解明する決定的な証拠とはならなかった。
専門家たちは「類人猿」、「群れを離れた大ザル」、「クマを見間違えた」、「山の中で密かに生きる人間」など、あらゆる説を唱えたが、目撃談と足跡だけでは推測にとどまり、いずれの説も立証されるには至らなかった。
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