市川勧(いちかわ すすむ)くんは、庄原市に住む小学校5年生(撮影当時は4年生)。30年前のイッちゃんの仲間、ススム役で出演しました。勧くんは、ずっと剣道を頑張っているそうで、2月26日の「監督を囲む会」にも剣道衣のまま駆けつけてくれました。その日、インタビューをさせていただき、後日、お便りで映画の感想などを伺いました。
 応募のきっかけは、中国新聞でオーディションの記事からだそう。隣町である西城町で撮影があるので、チャレンジしてみようと応募しました。7月のオーディションでは、「周りのみんなが『合格したい!』と必死で頑張っているのがひしひしと伝わって来ました。僕はそれを見て『受かればいいな』と思っていた」そうで、その冷静さや平常心が合格につながったのかもしれません。
 合格してからは、「すごくうれしかったです」という勧くん。ご家族の方も、「合格が決まった時の姿がとてもうれしそうだったので、僕も『良かった』と思いました」(お兄さん)、「正直、驚きました。まさか合格するとは思っていなかったので・・・」(お母さん)と、みんなで喜び合ったそうです。
 そして、8月。撮影が始まりましたが、初日から台風のため中止になるなど、波乱の幕開けでした。
 「大トチの木のシーンは、夜中だし山の中なので少し肌寒かったです。ヤマちゃんは寝ていたけど、僕はその横で眠れなかったです」。その一方で、救急車のシーンでは、「この日は暑い日だったので、毛布を掛けられてとっても暑かったです」。映画の中では続いているシーンですが、それぞれに苦労があったようです。一方、とうもろこし畑のシーンでは、「本当にとうもろこしを取ることができてうれしかったです。でもたくさん取り過ぎて、走って逃げるのが大変でした」。
 映画の撮影は、朝早く夜遅いことが一番大変だったそう。「俳優さんたちと一緒に撮影することがなかったのでそれが少し残念でした」と勧くん。それでも、撮影に合間にみんなと遊んだことはとても楽しい思い出だったそうです。
 撮影を終えて、「まだ宿題もたくさん残っていたので、終わって安心した。この夏休みは自分でもよく頑張ったと思う」と振り返ります。オーディションへの応募を勧めてくれたおばあちゃんも「よく頑張ったね」とほめてくださったそうです。
大戸小学校での撮影で、イッちゃん役の奥田海星くんと
 西城町での特別先行上映で完成した映画を見ての感想は、「とうもろこし畑のシーンは、自分でも大好きな場面です。『よく撮れてるなあ』と思って観ました」(勧くん)、「暑かったり、雨に降られたりととても大変な撮影だったのによく頑張ったなあ、としみじみ感じました」(お母さん)。
 4月26日には、広島市での完成披露試写会では、「久しぶりにみんなに会えてうれしかったです。でも舞台挨拶の時にはすごく緊張しました」。普段は、「宿題など親から言われなくても自分から進んでやるように頑張っている」そうで、とてもしっかり者のようです。「将来は大工になりたい」という夢を持っている勧くん。「映画の撮影を経験して、いろんな人が助け合って撮影していることがよくわかった。人の話をよく理解できるようになった気がします。」と話してくれました。
 最後に、「映画からもらった宝物は?」と尋ねると、「伊原剛志さんのサイン。そして何より、イッちゃん、ドベ、ヤマちゃん、カツ、ナバスケという友達ができたこと」と答えてくれました。
このメガネは自前ではなく、衣裳だそうです